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日本刀の「太刀(たち)」についての基礎知識

   

一般的に「日本刀」といわれるものには、「太刀(たち)」と「刀(かたな)」という種類があります。

そこで、今回はこの「太刀(たち)」について解説します。

日本の刀剣も、時代を経てその形態が「太刀」から「刀」へと変化しています。これは、あくまで刀剣の形態の「変化」であって、刀剣の機能が進化したというわけではありません。日本刀だけでなく、武具甲冑なども時代の変遷、つまり戦闘形態の変化により変化しています。

平安時代の武士の戦闘形態は「騎馬武者」が主体でした。騎馬の武士が主流なので、鎧兜も騎馬武者が使う事を前提として作られています。つまり、鎧も馬に乗る事が前提なので、多少重くても防御力を重視した作りとなっています。

 
 

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■騎馬武者が使う事を前提に作られた刀剣が「太刀(たち)」です

上記の絵で騎馬武者が腰に帯びているのが「太刀」です。なお、太刀を腰に帯びることを「佩く(はく)」と言います。ですから「太刀を腰に差す」というのは誤りです。

太刀は腰に差しません。腰からぶら下げるように着けるのです。この太刀は、騎馬武者が馬上から使う事を前提に作られています。

 
 

■太刀は「馬上から斬り合いをする」ための刀剣

「馬に乗りながら」使うのが「太刀」ですから、太刀にはそれなりの機能が必要となってきます。
そこで、太刀の主な機能を解説します。
 
 

刀身が長い

騎馬武者の戦闘形態としては、馬上から「地上の兵士と斬り合う」または「同じ騎馬武者を相手に斬り合う」ケースが考えられます。
この場合、馬に乗っているという状況では、どちらのケースでも相手との「間合い」が少し遠くなります。馬に乗っているのですから、徒歩で戦う場合と違い、簡単に相手との間合いを縮める事はできません。

そこで、「太刀」は「刀(かたな)」と比較すると、刀身が少し長めに作られています。刀身が長ければ、地上の兵士や騎馬武者との間合いが多少遠くても、それをカバーすることができます。

 
 

反りが大きい

太刀は刀と比べると「反り」が大きいです。

この理由ですが、

馬に乗った状態で刀剣を使う場合、「腕の回転運動のみ」しか使うことができません。馬の鞍に乗った体勢では、腰が鞍に固定された状態になるので「腰の回転」や「体全体の動き」で斬ることができないのです。

真剣で「試し切り」を経験したことがある人なら理解できるでしょうが、腰や体全体の回転が使えない状態でモノを斬るのは難しいですよね。

例えば、料理で「まな板」に大根を置き包丁で切る場合、包丁を引きながら切ると「スパッ」と抵抗無く切れますよね。しかし、包丁をただ垂直に真っ直ぐ切り下げるだけでは、大根は綺麗に切れないでしょう。

騎馬で刀剣を振るう場合、腕の回転運動だけで斬るのは、丁度「包丁を垂直に真っ直ぐ切り下げるだけで切る」場合と同じ状態なのです。これでは、どんなに斬れる刀剣でも、単に「叩きつける」ような斬り方になります。

そこで、この欠点を補うために太刀は「反りを大きく」したのです。

この「大き目の反り」を付けることにより、腕の回転運動だけでも「包丁を引きながら切る」のと同じ状態になり、抵抗なく斬ることができる様になるのです。
 
★太刀(反りが大きい)

★刀(反りが小さい)

 
 

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太刀は片手で使う

馬に乗った状態で使う事を前提として作られているのが「太刀」です。ですから、太刀は片手で使うのを前提として作られていますので、「刀」と比べても「柄」の部分が短いのも特徴の一つです。

下の画像でも、柄の先に「紐」みたいのが付いてますよね。これは携帯の「ストラップ」と同じ働きをします。つまり、片手で太刀を持つので、手から滑り落ちるのを防止するための「紐」なのです。
 

 
 

■太刀は、何故「刃を下にして」腰に下げるのか?

刀と太刀の「着け方」の違ですが、

・太刀は「刃の部分を下にして」腰から下げる様に着けます。
・刀は「刃の部分上下にして」、腰帯に差して着けます。

これは、それぞれこの様に着けた方が鞘から抜き易いからです。

太刀をこの様に着けるのは「馬に乗った状態」で刀身を鞘からき易くする為の工夫です。馬に乗った状態で、腰の刀剣を鞘から抜こうとしても鞍に腰が固定されている状態ですので、刀剣自体を動かさないと鞘から抜き難いのです。

そこで刀身自体を動きやすくするために、このように「刃の部分を下にして」腰から下げる様に着けるのです。

 
 

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