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イージス・アショアの基礎知識

      2019/10/01

イージス・アショア(Aegis Ashore)とは「陸上型イージ」「地上イージス」「陸上イージス」ともよばれ、イージス艦が搭載する迎撃システムを、艦艇ではなく地上の設備として設置したものものです。

イージス・アショアはイージス艦のミサイル迎撃システム部分をそのまま陸上に移設した形となるため、1基あたりの設置コストは抑えられ、ミサイル迎撃能力はイージス艦と同等、艦艇の運用や整備が不要となる分だけ迎撃態勢に移れる時間が多くなる利点があります。

迎撃可能な範囲はTHAADよりも広く少数の配備でも広範囲をカバーできるという利点があり、長射程を有するブロックIIAにより2基を設置すれば日本全土をほぼカバー出来ると言われています。

元々、イージス・システムは空母機動艦隊を守る軍艦用のシステムです。しかし、「現時点で予測不可能な脅威を撃破するために、後日必要となる新しいウエポンとウエポンシステムの統合化された増備が可能」であることがイージスの重要な設計思想なのです。ですから、元々考えられていなかった弾道ミサイル防衛に対しても、イージスはソフトウェア改修や装備の増設等で対応出来る柔軟性があるのです。

 
 
 

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■「イージス・アショア」は現行のミサイル防衛システムとは何が違うのか

現行のミサイル防衛システムでは、発射された弾道ミサイルが、宇宙空間を飛翔中(ミッドコース)に迎撃します。その迎撃ミサイルには、SM-3ミサイルを用いていますが、日本が導入する「イージス・アショア」には、現行のイージス艦が搭載する「SM-3ブロックIA」より大型で高性能な「SM-3ブロックIIA」が搭載される予定です。

SM-3ブロックIAより長射程を有するSM-3ブロックIIAにより、2基を設置すれば日本全土をほぼカバー出来ると言われています。

 
 

■「イージス・アショア」は巡航ミサイル迎撃も可能

世界的には巡航ミサイルの拡散・高性能化も懸念されていますが弾道ミサイル防衛(BMD)だけでなく、巡航ミサイルも含めた脅威に対応する「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」という概念が拡がりつつあります。アメリカが開発中の艦対空ミサイル「SM-6」を搭載することで、広範囲の巡航ミサイル迎撃も可能になります。

艦対空ミサイル「SM-6」は、中国空軍のH-6戦略爆撃に搭載する核弾頭装着可能な「KD-20」巡航ミサイルに対処するために必要な迎撃ミサイルです。中国の「KD-20」は対地攻撃用ミサイルで海面上すれすれを飛び射程1,500 km、米国のトマホークに相当する巡航ミサイルで、日本領空に接近せずに公海上どこからでも日本国内の目標を攻撃できる能力があります。
 
 

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■日本のミサイル防衛の問題点

これまで、日本のミサイル防衛は、海自のイージス艦、空自のPAC-3が担ってきましたが、これに陸自のイージス・アショアが加われば、3自衛隊でミサイル防衛を担うことになります。一刻も早い行動が求められるミサイル防衛が3組織に分散されることになります。ですから、現在も進められている3自衛隊の統合運用を、さらに確実に緊密にしていく必要があります。

また、電波の届かない水平線の向こうの目標を迎撃可能な長射程を有する艦対空ミサイル「SM-6」を有効に活かすためには、情報を取得するデータリンクが必要になります。このデータリンクが日本にはまだなく並行して導入を進める必要もあります。
 
 

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