海上自衛隊潜水艦「せきりゅう」最新鋭8番艦、非大気依存推進とは
2016/04/13
海上自衛隊の最新鋭潜水艦「せきりゅう(Sekiryu)」は、「そうりゅう型」の8番艦で全長は84メートル、排水量は約2950トン。水中を20ノットで航行できる。海自の最新鋭の潜水艦である。スターリングエンジン(非大気依存推進)が採用されている潜水艦である。
「せきりゅう」の艦名は南方を守る神聖な竜を意味する。2017年3月に海上自衛隊に引き渡される予定で、建造費は約559億円。そうりゅう型潜水艦( JMSDF SS Soryu class submarine)は、海上自衛隊が運用する通常動力型潜水艦の艦級で、海上自衛隊初の非大気依存推進(AIP)潜水艦である。
■海上自衛隊潜水艦のスターリングエンジン
海上自衛隊と技術研究本部では、1950年代中盤より非大気依存推進(AIP)システムの開発に着手した。技術研究本部はスターリングエンジンが潜水艦用AIPシステムとしては実現性が高いと判断し、スウェーデンのコックムス社のMk.IIモデルを輸入。独自試作の液体酸素タンクなどと組み合わせたうえでスターリングAIPシステムが搭載された潜水艦「そうりゅう」が建造された。
スターリングエンジン( Stirling engine)とは、シリンダー内のガス(もしくは空気等)を外部から加熱・冷却し、その体積の変化により仕事を得る外燃機関である。
■海上自衛隊潜水艦のX舵
「そうりゅう」の外見上の特徴としては、X舵の採用である。これまでは垂直舵(縦舵)と姿勢制御を担当する水平舵(横舵)による十字型舵を採用してきたのに対し、X舵ではこれらを45度ずつ傾けた形で装着して、4枚の舵すべてに回頭と姿勢制御の両方の役割を担当させる。この方式は機動性に優れるほか、舵面が1枚が損傷しても他の3枚で分担できることから冗長性にも優れ、また着底・沈座時にも舵面が損傷しにくいというメリットがある。
■海上自衛隊潜水艦「せきりゅう」の兵装
兵装としては、艦首上部に6門のHU-606 533mm魚雷発射管を装備し、89式長魚雷及び、対艦ミサイルを搭載している。また8番艦の「せきりゅう」からは新たに潜水艦魚雷防御システム(Torpedo Counter Measures :TCM)が装備されている。
■海上自衛隊 潜水艦「せきりゅう」命名進水式 動画
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