深夜の友は真の友

人生は短く、夜もまた短い。今日できることは明日に延ばして、せめてこの深夜の一時を…

「YKK秘録 (講談社)」山崎 拓 (著) 手帳に記録しつづけて来た政界秘話

   

 

かつて政界の中枢にいた山崎拓氏が、議員初当選以来、議員手帳に細かく正確に記録しつづけて来た政界秘話(秘密会合の場所から参加者、
会話の内容や態度に感じられたその思惑まで)をもとに生き生きとしたストーリーとして活写.

かつて自民党は自由闊達に腹蔵なき議論が行われ、保守からリベラルまで優れた能力を持つ政治のプロフェッショナルが集い権力闘争を恐れなかった。

それがまた、日本の成長の原動力となりえた。

しかし昨今では「忖度党」に成り下がった。当選したい、党の支援が欲しいだけの議員が執行部の言いなりとなり、政治の活力は失われた。

現状を危惧する老政治家が、命を賭して最後に問う「この国のかたち」。
 
 
 
 

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■「YKK秘録 (講談社)」山崎 拓 (著)の口コミ

■さて、この本の本題であるYKKについては、カラオケについての山崎の評価が象徴的だ。
加藤が今どきの歌ばかり10曲くらいマイクを独占したが、小泉は2曲、私は1曲を歌った。小泉が一番歌が上手だと思った。
自信家で、常に前に出たがる加藤に対し、小泉はどちらかというと寡黙だが、なぜか豊富に情報をもっていて、状況判断が的確、そんな印象である。
それにしても、つくづく加藤が首相にならなくて良かったと思う。
「加藤の乱」で最後は加藤はカメラの前で涙を流したが、もし首相になっていたら、同じ涙を国民が流していたことだろう。
あまりにも状況判断が甘すぎる。首相になっていたら、おそらく近隣諸国にしてやられていたことだろう。
 
 

■他人(山崎拓)の日記。
当然だが、今でもセンシティブな部分については誤魔化す、もしくはなかったことで消えている。
将来的に他の資料と付き合わせ、政治決定のプロセスを知ることができるという意味では、重要な資料となるだろう。
回顧録とは、自分の正統性と承認欲求を満たすものでしかない。
それがクロスチェックされ、歴史となる。

 
 
■実に面白かった。メモ魔だったヤマタク氏が衆議院手帖に記録した政治家、財界人、大物マスコミ人との会合、密会を中心に
1989年の宇野内閣での防衛庁長官就任から2003年衆院選での落選までがつづられている。
クライマックスは2000年「加藤の乱」だが、表舞台のウラで繰り広げられる暗闘が生々しく伝わってくる。
読売新聞・渡辺恒雄氏と日本テレビ・氏家斎一郎氏(故人)の暗躍ぶりも印象深い。
ヤマタク氏落選後の小泉純一郎首相による2005年郵政解散などまで筆が及ばなかったのがやや残念で、尻切れトンボ感は残った。
この本を読むにつけ、加藤紘一氏がこういう記録を残さずに亡くなったのが惜しまれる。
加藤氏が誰と会い、何を考えたのかをぜひ知りたかった。

 
 
 

 
 
 
 
 

 
 

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